目眩(めまい)はなぜ起こる?part 2

query_builder 2023/04/29
茨木_鍼灸東洋医学
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前回の肝陽化風、陰虚陽亢の目眩(めまい)に続いて

他の分類も説明していこうかと思います。


前回にサラッと紹介した

・心脾両虚型

・中気不足型

・腎精不足型

・痰濁中阻型

の4つですね。

では、いきましょう。


前回記事はこちら

目眩(めまい)はなぜ起こる?


【めまい症状 東洋医学の目線で part:2】

前回も申しましたように、”めまい”

中医内科学における名(弁病)は、

頭暈、眩量、目眩と様々です。今回は頭暈で進めていきます。



〈心脾両虚〉型の頭暈

字のとおり、心の臓と脾の臓が虚して機能低下を起こしている状態です。

但し、東洋医学目線での心の臓、脾の臓です。

決して心臓病が、脾臓がどうたら…という話ではありませんので。

そもそもの概念が違いますのでね。



まず、”脾の臓”。

飲食物から水穀の精微(後天の気=後天的エネルギー)を作り出し、

一度上へ持ち上げて(昇清作用)心の臓と肺の臓の働きにより、

身体の各組織や器官に気血を送って栄養します。

大雑把に消化器全般(消化〜吸収〜排泄まで)と関連がある、

と思っていただいて構わないです。

つまり、飲食物から『気』を生成しているわけですね。


そして”心の臓”は君主の官といいまして、

君主というだけあってその他の臓を統率している…ともいえます。

血脈を主り、脾の臓から得たエネルギーを受けて血を作り出し、

全身に運行させるという循環器系全般にも関与してきます(

西洋医学のHeartと近い意味合いが近いですね)。

 

過度の心労や思考で心脾に負担をかけて気血が消耗したり、

大病や大出血などで気血が不足してしまうと発症することがあります。

精神状態、及び感情と身体の関わりについてはこちらを御覧くださいね。

 →五臓と五神について〜精神と身体の密接な関係〜


気血が不足すると、

頭や眼を栄養できずに頭のふらつき(心労によって増悪する)、目のかすみなどが出現します。

また、動悸(不安感を伴う、酷いと冷や汗が出る)、疲労感、

眠気がきても入眠が出来ない、顏色の艶が失くなる…などの症状が現れてきます。

 

この頭暈は漢方でいうと、帰脾湯なんかが効果を出してくれますね。




〈中気不足〉型の頭暈

中気=中焦(身体を上中下と三分割した真ん中=脾・胃)の弱りからくるものです。

過労による元気の消耗や脾胃虚弱により起こるものです。

先程も言ったように、脾が胃と連動して飲食物から得たエネルギーを

一度上へ持ち上げるのですが、

この昇清作用が上手く働かず、清陽不昇となり栄養されず、頭のふらつき、

目の前が暗くなるようなめまい、倦怠無力感、食欲不振、居眠り、息切れ、軟便などの気虚症状(さっきの心脾両虚のような血虚所見なし)が現れます。

こちらは漢方でいうと補中益気湯が効果を出します。



〈腎精不足〉型の頭暈

次は腎の臓が関与してきます。

腎の臓は先天の気(先天的エネルギー=両親から受け継いだエネルギー)を

”精”という、気血をエキスのような形で凝縮したものを溜め込んでいます。

人間はこの先天の気が枯れないように

常に後天の気(つまり飲食物)で補給しているわけですね。

精は生命エネルギーと大雑把に考えていただければいいかな、と。

腎は、骨・髄・脳・耳・髪・歯を栄養しますが…

よく見るとこれ、全部老化に関与してきますよね?

そう、腎の臓は老化全般と関与してくる臓です。

つまり…

老化による腎気の衰弱、先天不足(先天的な腎の弱り)、

房事過度(性交渉などで精を漏らしすぎる)で腎陰(精)を消耗し

脳・髄が栄養されないと頭暈が発生します。

頭のふらつき(頭がボーッとして、空虚な感じ)、

めまい感を慢性的に感じ(地に足がつかないような、足元がおぼつかないような感じかと)、

疲労感、耳鳴り(セミの鳴くような、潮騒のような音)、

足腰がだるく無力感がある…などの症状が出てきます。

これも気虚症状が診られますが…

中期不足と違うところは、足腰のだるさや無力感がある、

ほかに男性であれば陽萎(インポテンツ)などもありえます。

  


〈痰濁中阻〉型の頭暈

 暴飲暴食によって脾胃が損傷し、

脾の運化作用が障害されることで水湿(体の中の余剰な水分)が停滞し、

停滞した湿邪が凝縮して痰を生じ、痰湿が中焦(脾胃)を阻滞したことにより

清陽が昇らず、濁陰は下りず(余剰な水分、汚れた水分)、頭暈が発生します。

 

先述した3つは虚証に当たりますが、これは明らかに実証です。

中気不足は上へ持ち上げる力がないのに対して、

こちらは上へ持ち上げようにも邪気(痰湿)が邪魔をして持ち上がらない状態です。


このパターンはめまいの程度が強く回転性、且つ悪心・嘔吐を伴うので鑑別は簡単です。

他に、身体が重だるい、眠気が強い、食欲不振など。

これは…多くの方は経験のしたことのあるやつではないかと。笑

私も最近では減ったものの昔はよくやってました。

 



そう、二日酔いや飲みすぎたときになるアレですね。




治療云々より、急性のものは吐かせるのが得策でしょう。笑



二日酔いだけど吐けない…

吐いたけどまだスッキリしない…

という場合は鍼灸でしっかり処置もいたします。

この場合は便で排出できるようにもっていきます。



まぁでも、そうはならないように、お酒や暴食は程々にです…(^_^;)

 


前回も含めて頭暈(めまい)について色々と紹介させていただきました。



一重にめまいと言いましても、このように様々なパターンがあります。



まずは、自分がどのパターンにあてはまるのか?

前回も紹介しましたが、西洋医学でも

・回転性めまい(vertigo)

・浮動性めまい(dizziness)

・失神性めまい(fainting)

などに分類されます。


自身がどのめまいに相当するのか?

という現状把握は東洋医学の立場での体質・体調の分析にもかなり役立ちます。


できるだけ詳しくご自身の身体を観察してみてくださいm(_ _)m


そして、めまいを治すだけでなく、

再発しない身体、体質改善を目指していきましょうね!



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鍼灸 縁庵

住所:大阪府茨木市永代町6-19 近藤ビル402

電話番号:090-3890-4915

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