つらい生理痛の原因と対策|西洋医学と東洋医学から読み解く改善法

query_builder 2025/05/29
茨木_鍼灸東洋医学体質改善
月経痛、生理痛

毎月やってくる女性特有の“あの痛み”

──下腹部をギューッと締めつけられるような生理痛に悩まされ、

学校や仕事を休みたくなるほどつらい思いをしていませんか?


実は、日本では約80%もの女性が生理痛を経験しているといわれ、

そのうち重症度が高く日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。

「毎月のことだから仕方ない…」と

痛みを我慢し続けると、集中力や睡眠の質が低下し、

心身ともにふさぎ込みがちになってしまう、

ということも少なくありません。


かといって、「薬を飲み続けるのも抵抗が…」

という方も多いのではないでしょうか。


では、どうすればつらい月経痛を和らげ、

QOL(生活の質)を保つことができるのでしょうか。


今回は『月経痛』および『生理痛』にフォーカスして

西洋医学、東洋医学の両視点で解説していこうと思います。



生理痛の基礎知識

『生理痛』は医学用語では『月経痛』といいます。


それは子宮内膜が剥がれ落ちる際に分泌される

「プロスタグランジン」というホルモン様物質が

子宮筋を収縮させることで生じる痛みといわれています。


大きく分けると以下のように分類されます。


一次性月経痛:

特に病的な疾患がなく、機能的に痛みが起こるタイプ。

10代後半~20代前半に多い。


二次性月経痛:

子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症など、

何らかの器質的異常が背景にある。


月経痛の症状とその特徴

症状の出現の仕方は人それぞれ違います。

一般的には以下のようにいわれております。


  • 下腹部の鈍い痛み~激痛
  • 腰痛や頭痛、吐き気、下痢など全身症状を伴う場合もある
  • 痛みのピークは月経初期(1~2日目)に多い


しかし、体質や生活状況・環境などによって上記以外のような状態の場合も多々あります。



月経痛に対する西洋医学の考え方と治療法


原因と診断

西洋医学の考えでは先述したように子宮内膜から過剰に放出された ”プロスタグランジン”が子宮筋を強く収縮させ、血流障害や神経刺激を引き起こすことが主な原因とされています。


二次性月経痛では、画像検査(超音波やMRI)や内診を行い、子宮内膜症や筋腫の有無を確認します。


一般的な治療法

  • NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
    痛み止めとしてプロスタグランジンの産生を抑え、子宮収縮を緩和します。


  • ホルモン療法
    低用量ピルやLNG-IUS(薬剤溶出性子宮内システム)で月経周期を調整し、内膜の増殖を抑えます。


  • 生活習慣の改善
    お腹を温める、適度な運動、ストレス管理、十分な睡眠などを指導します。


これらが西洋医学的な一般的な対処法となります。

「いかに痛みを抑えるか?」ということに着目しているかがわかるかと思います。


それに対して、東洋医学ではどのような考え方になるのでしょうか。

実際に解説していきます。


月経痛に対する東洋医学の考え方と治療法

東洋医学(中医学)では、月経痛(生理痛)を

「気血の滞り」や「寒邪の侵入」などによる不調と捉え、

証(パターン)ごとに分類・治療を行います。



主な証パターンと特徴

以下に一例ですが、

よくある証パターンとその所見、対処法などを纏めました。



主要所見主な方剤養生法・セルフケア
肝鬱気滞イライラ、胸脇部の張り、舌の縁に苔がない逍遙散、加味逍遙散など深呼吸や軽いストレッチ、散歩、気分転換
瘀血(血瘀)刺すような痛み、痛みの移動が少ない桂枝茯苓丸など温める(お灸・半身浴)、血行改善マッサージ
気血両虚倦怠感、むくみ、疲れやすい四物湯、当帰芍薬散など栄養バランスの良い食事、十分な休息、質の良い睡眠
寒凝血瘀冷え、刺すような痛み当帰四逆加呉茱萸生姜湯などカイロや腹巻きで保温、温灸



これは一例ですので当てはまらないこともあり、


他にも考えられる証はいくつかあります。

もちろん、証ごとによって治療法も変わってきます。


証ごとの治療法

  • 肝鬱気滞
    肝の臓は気の流れに関与します(肝は疏泄を主る)。
    肝の働きを正常化することで気の流れを良くして滞りを取ります。
    気滞が慢性化すると瘀血を発生させる可能性があります。


  • 瘀血(血瘀)
    瘀血は滞っている血を指し、血瘀は血が滞っている状態を指します。
    瘀血そのものを除去する処置を行いますが、「なぜ、瘀血が発生したのか」ということにも着目し、その原因も除去します。
    瘀血の発生には、気の滞り気血の不足(循環不足)寒凝(冷え)煎熬(せんごう:熱で炙られる)などがあります。


  • 気血両虚
    気と血が不足してエネルギー不足になることで、胞宮(子宮をはじめとした女性器)を養えないために痛みが起こります。
    つまり、他の証と違って”補って”エネルギーを補充することで痛みを取ります。


  • 寒凝血瘀
    冷えによって瘀血が生じている状態のために、瘀血を取りつつも温めて、冷えを取り除くような処置を行います。
    リスク回避のため、普段から足元は冷やさないようにしましょう。


統合的アプローチと実践例

西洋医学と東洋医学を組み合わせることで、

痛みの軽減だけでなく体質改善や再発予防にも繋がると考えられます。


例を挙げますと…

  • 薬物療法+漢方
    NSAIDs等で快適に過ごしつつ、漢方で体質を整えることで副作用を抑制しやすい。
  • 鍼灸+生活養生
    定期的な鍼灸施術で気血循環を促進し、自宅でのセルフケア(お灸や腹巻き)を継続する。
  • 薬物療法+鍼灸
    まずはつらい痛みを抑えつつ、鍼灸で根本の解決を図っていき、経過をみながら徐々に減薬していく。


このような併用方法があるかと思います。


実際に当院にお越しの方も来院時は失神するほどの月経痛に悩み、お薬を手放せなかった方が、徐々に緩解していき、今では服薬せずとも過ごせるようになった方もたくさんおられます。


ご本人の心身ともに無理のない、治療プランが大事ですね。


またそれぞれの体質に合わせてセルフケアや養生をお伝えしますので、それを併せて実践していただけますと、一層、症状の改善が早かったり、月経痛からその他の病気(子宮筋腫や腺筋症など)に移行するのを予防したりします。


毎月の生理痛を「仕方ない」と放置せず、

自分に合った方法を取り入れて乗り越えていきませんか?


生理痛は身体からの何かしらのサインかもしれません。

放置していると、先述したような

子宮筋腫や嚢腫、内膜症や腺筋症へと移行する可能性もあります。

そうなれば不妊症のリスクにもなる可能性が生まれてきます。


生理痛、月経痛でお悩みの方は、

東洋医学を得意とする

茨木市の鍼灸 縁庵にぜひ一度ご相談ください。

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鍼灸 縁庵

住所:大阪府茨木市永代町6-19 近藤ビル402

電話番号:090-3890-4915

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