冬の過ごし方で変わる自律神経 〜現代人がストレス過多になる理由?〜

query_builder 2022/12/03
東洋医学自律神経
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黄帝内経『四気調神大論』から考える、自律神経と“腎”の守り方

先日、節気の話を少ししましたが、

今回はその続きとして

「冬の過ごし方=冬の養生」について、

東洋医学の視点からお話してみようと思います。



【四季と五行、そして「長夏」という季節】

日本にはおなじみの四季、

春・夏・秋・冬がありますが、

東洋医学の生まれた中国では、季節の捉え方が少し違います。


春・夏・長夏・秋・冬


この「長夏(ちょうか)」というのは、

日本でいうと梅雨どきのような、湿気の多い時季に近いイメージです。


これを五行に当てはめると、


  • 木 = 春
  • 火 = 夏
  • 土 = 長夏
  • 金 = 秋
  • 水 = 冬

となります。


日本の場合、

「土」は梅雨や秋雨のタイミングに当てはまるのでは?

あるいは「土用」の時季に紐づけられるのでは?

など、諸説ありますが、いずれにしても

「季節ごとにからだの養い方も変わる」

というのが東洋医学の根っこにある考え方です。


【節気で見る「いまは冬」】

以前も書きましたが、季節をより細かく区切るものとして二十四節気があります。


この節気を基準にすると、季節の区分がかなりハッキリします。


たとえば今だと――

立冬を過ぎているので、暦の上ではすでに“冬”です。


日本では大ざっぱに言うと、


  • 12ヶ月 ÷ 4季節 = 1季節あたり3ヶ月
  • 間に「土用」が挟まる


というイメージでしょうか。


立冬が11月なので、 東洋医学的には

冬は「11月・12月・1月」に相当し、

2月には節分を経て立春が訪れ、「春」にバトンタッチしていきます。



【黄帝内経『四気調神大論篇』に見る「冬の過ごし方」】

東洋医学の聖典『黄帝内経・素問』のなかに、

季節ごとの養生法をまとめた『四気調神大論篇』という章があります。


その中で冬について、こんな一節があります。


冬三月,此為閉蔵。水冰地坼,勿擾乎陽,早臥晚起,必待日光,使志若伏若匿,若有私意,若已有得,去寒就温,無泄皮膚,使気亟奪。此冬気之応,養蔵之道也;逆之則傷腎,春為痿厥,奉生者少.


難しい漢文なので、かんたんに要約してみます。


  • 冬の3ヶ月は「閉蔵(へいぞう)」の季節
    └ 万物がエネルギーを内側にしまい込むタイミングです。
  • 地には氷が張り、地面も割れるほどに冷える。
    この時季は「陽気」をかき乱すような過ごし方は良くない。
  • 早く寝て、日の出を待ってから起きるのがよい。
  • 心(こころ)は静かにして、「もう十分満ち足りている」とでも思うくらい、欲を追い立てないように過ごしなさい。
  • 厳しい寒さを避けて、しっかり暖かくして過ごすこと。
  • 汗をかきすぎて、内側に蓄えている陽気を外へ漏らさないように注意しなさい。


これが冬の気に応じた、「蔵」を養う養生法である、と。


そして最後に、こう続きます。


もしこの養生法に逆らった生活をしていると、腎(水の臓)を傷めてしまい、足腰が冷えて弱り、春には「痿厥(いけつ)」のような症状を起こす。


ざっくり言えば――


「冬のうちにちゃんと“閉蔵”の養生をしておかないと、 次の季節に、からだにツケが回ってきますよ」


という注意喚起です。



【冬は「陰」を養う季節】

秋〜冬は、陰陽で言うと「陰が深まっていく季節」です。


  • 早く寝て
  • 日の出とともに起きる


本来は、このくらいのリズムで過ごすのが理想です。

(実際の暮らしではなかなか難しいですが…)


現代人の生活を見ていると、


  • 就寝時間が日付をまたぐのは当たり前
  • スマホやPCで夜遅くまで交感神経フル稼働


という方がほとんどだと思います。


そこで私は、現実的なラインとして、


「せめて、0時には深い眠りに入れるように、23時にはお布団に入っておきましょう」


とお伝えすることが多いです。


こういった“小さな積み重ね”こそが、養生のコツだと感じています。



【陰が足りないと、からだは「陽に偏る」】

冬にしっかり「陰」を養えないと、相対的にからだは陽に偏った状態になってしまいます。


言い換えると、交感神経が高ぶりっぱなしの

「ストレス過多」の状態です。


その結果として、


  • イライラしやすい
  • すぐにカッとなる
  • 頭が冴えすぎて眠れない


といった症状が出やすくなります。

これ、現代人にすごく多いと思いませんか?



【季節の養生と、現代の“心の病”】

現代社会では、

  • うつ病
  • 不安症
  • パニック障害
  • 自律神経失調症


といった精神・自律神経のトラブルがとても増えています。


もちろん原因はひとつではありませんが、

東洋医学的な目線で見ると、

  • 「季節に逆らった生活」
  • 「陰陽のバランスを無視したリズム」

も、その一因になっているのではないか、と感じます。


【さいごに】

冬は、ただ「寒いからしんどい季節」ではなく、

エネルギーを内側にしまい込み、次の季節に向けて静かに充電していくタイミング でもあります。


  • 少し早めに眠る
  • 起きる時間を、日の出に近づけてみる
  • 無理な発汗や、夜ふかし・過労を控える


こうした、小さな冬の養生が、

春以降の心とからだの安定につながっていきます。


  • 「最近ちょっと自律神経が乱れているかも」
  • 「イライラしやすい・眠りが浅い」


そんな方は、 生活リズムとあわせて、季節の養生という視点からも一度からだを見直してみてくださいね。

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鍼灸 縁庵

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