難聴の原因と種類|東洋医学と鍼灸でのアプローチ

query_builder 2026/06/04
茨木_鍼灸東洋医学自律神経
難聴イメージ画像

「最近、人の声が聞き取りにくくなってきた」

「テレビの音量を上げることが増えた」

「突然、片耳の聞こえが悪くなった」

——耳の聞こえの変化は、気づいたときにはすでに進行していることが少なくありません。


難聴には複数の種類があり、原因によって対処法が異なります。早期に対応することで改善が期待できるケースもあれば、進行を抑えることが目標になるケースもあります。

いずれにせよ、「歳のせいだから仕方ない」と放置しないことが大切です。


茨木市の鍼灸院「縁庵(よすがあん)」は東洋医学を専門とし、体質の見立て(弁証)をもとにお一人おひとりに合った施術を行っています。


本記事では、難聴の種類・原因・西洋医学での治療から、東洋医学の視点と鍼灸でのアプローチまでを解説します。

👉 めまいの原因を東洋医学で解説もあわせてご覧ください。


難聴の種類と原因

伝音性・感音性・混合性難聴

難聴は、音が届かなくなる経路によって大きく3種類に分けられます。

伝音性難聴
外耳・中耳で音を伝える経路に問題が生じた難聴です。
鼓膜の損傷・中耳炎・耳垢栓塞・耳硬化症などが主な原因です。
音が「小さく聞こえる」感覚が中心で、補聴器や手術で改善が期待できるケースが多いとされています。

感音性難聴
内耳(蝸牛)から聴神経・脳中枢にかけての障害によって生じる難聴です。
老人性難聴・騒音性難聴・突発性難聴・メニエール病・薬剤性難聴などがあります。
「音は聞こえるが言葉が聞き取りにくい」という特徴があり、一般的に伝音性難聴より回復が難しいとされています。

混合性難聴
伝音性と感音性の両方の要素が混在した難聴です。
慢性中耳炎が長期化した場合などに見られます。

特に注意が必要なのが突発性難聴です。

ある日突然(多くは朝起きたとき)、片耳の聞こえが急激に低下する病気で、耳鳴りやめまいを伴うこともあります。
原因は完全には解明されていませんが、内耳の血流障害・ウイルス感染・ストレスなどが関与すると考えられています。

発症後できるだけ早期(目安は1〜2週間以内)に耳鼻咽喉科を受診することが、回復の可能性を高めるうえで重要です。


診断と西洋医学の治療

検査と主な治療法

難聴の診断には純音聴力検査(オージオメトリー)が標準的に用いられます。

各周波数(125Hz〜8kHz)での聴力閾値を測定し、難聴の程度(軽度・中等度・高度・重度)と種類を判断します。

突発性難聴が疑われる場合はMRI検査で聴神経腫瘍などを除外することもあります。

突発性難聴の治療
ステロイド薬(全身投与または鼓室内注射)が第一選択です。日本聴覚医学会「突発性難聴診療ガイドライン(2021年版)」では、プレドニゾロンの内服または点滴が推奨されています。

発症から治療開始までの時間が短いほど回復率が高いとされます。

老人性難聴(加齢性難聴)の対応
加齢による蝸牛有毛細胞の変性が原因のため、根本的な回復は難しいとされています。

補聴器の活用が主な対応です。

適切なフィッティングにより、コミュニケーションの質の維持が期待できます。

慢性中耳炎などによる伝音性難聴
原因疾患の治療(抗菌薬・手術など)が中心です。

鼓膜穿孔がある場合は鼓膜形成術が選択されることがあります。

院長の日野より
「突発性難聴でご来院になる方の中に、発症から数ヶ月が経過してから鍼灸を試してみようと来られる方がいます。

早期にステロイド治療を受けたうえで、回復しきらなかった部分を鍼灸でサポートするというご利用が多いです。

突発性難聴は特に、まず耳鼻咽喉科を最優先にしていただくことを強くお伝えしています。」


東洋医学から見た難聴

腎と耳の深い関係

東洋医学では、耳と「腎(じん)」の関係を非常に重視します。

『黄帝内経素問・陰陽応象大論篇』には「腎主耳(腎は耳を主る)」と明記されており、『霊枢・脈度篇』にも「腎気通於耳(腎の気は耳に通じる)」という記述があります。

これは現代医学における加齢性難聴の背景(老化・腎機能の低下)と驚くほど一致しています。

つまり東洋医学では、耳の聞こえは腎の気(精気)が充実しているかどうかと深く関わると考えます。

加齢によって腎精が減少すると耳に栄養が届かなくなり、難聴・耳鳴りが生じやすくなる——

これが「腎虚による難聴」の基本的な考え方です。


ただし、難聴のすべてが腎虚によるものではなく、体質タイプによってアプローチが異なります。

縁庵では弁証(体質の見立て)によって主に4つのタイプに分けて施術します。


腎精不足(じんせいふそく)タイプ

主な症状:徐々に進む両耳の聞こえの低下・耳鳴り(低音・持続的)・腰膝の重だるさ・もの忘れ・夜間頻尿・疲労感
腎に蓄えられた生命エネルギー(腎精)が加齢や過労・房労によって減少した状態です。

「生命の貯金が少なくなってきた状態」のイメージです。
老人性難聴・慢性的な難聴の進行に多く見られるタイプです。

気血両虚(きけつりょうきょ)タイプ

主な症状:音が遠くに聞こえる感覚・立ちくらみ・疲労時に悪化する耳鳴り・顔色の悪さ・息切れ・食欲不振
気(エネルギー)と血(栄養)の両方が不足し、耳への栄養供給が滞った状態です。

工場の生産力と運搬力が同時に落ちているようなイメージです。

消化器が弱く、慢性的な疲労を抱えている方に多いタイプです。

痰火上擾(たんかじょうじょう)タイプ

主な症状:突然起こる耳鳴り・閉塞感(耳が詰まった感じ)・頭重感・めまい・口の苦み・胸やけ・脂っこいものの食べ過ぎ後に悪化
脾の機能低下から生じた痰湿が熱を帯び、頭部・耳へと上昇して気の通り道を妨げた状態です。
「熱い蒸気が耳の通り道を詰まらせている」ようなイメージです。
食生活の乱れや過労が引き金になりやすいタイプです。

肝火上炎(かんかじょうえん)タイプ

主な症状:ストレス・怒りで悪化する耳鳴り・急な耳の閉塞感・頭痛(こめかみ)・イライラ・口が苦い・目の充血・不眠
強いストレスや感情の抑圧によって「肝」の気が滞り、熱に変化して上部(頭・耳)へと上昇した状態です。

「勢いよく燃え上がった炎が耳に押し寄せる」ようなイメージです。

突発性難聴の急性期やストレスの多い生活の中で耳の不調が出やすい方に多いタイプです。


鍼灸での改善アプローチ

縁庵での鍼灸施術

縁庵では北辰会方式の東洋医学に基づき、脈診・腹診・問診から体質タイプを判断し、そのタイプに合わせたツボを選択します。

少数鍼(極力1本を基本)で気血の流れを整え、耳への栄養と血流のサポートを目指します。

難聴に関わるツボとして「腎兪(じんゆ)」「太渓(たいけい)」「聴宮(ちょうきゅう)」「翳風(えいふう)」「三陰交(さんいんこう)」「足三里(あしさんり)」などが代表的ですが、実際の施術では弁証の結果によって選穴は変わります。


突発性難聴は発症後すぐにステロイド治療を受けることが最優先です。

鍼灸は、西洋医学治療と並行して、または回復が不十分な段階で補助的に活用いただく位置づけです。

一方、老人性難聴や慢性的な難聴については、進行を緩やかにし耳鳴りの改善・全体的な体力の底上げを目指すアプローチが中心になります。

「突発性難聴のステロイド治療後、もう少し回復させたい」

「耳鳴りがつらくて眠れない」

「補聴器の前にできることを試したい」

——そんな方はぜひ一度ご相談ください。


まとめ:養生と日常ケア

難聴の種類と対応
伝音性(外耳・中耳の問題)・感音性(内耳・聴神経の問題)・混合性の3種類があります。

突発性難聴は特に早期受診が重要。老人性難聴は補聴器活用が中心になります。


東洋医学では体質タイプで対応

  • 腎精不足(加齢性・慢性)
  • 気血両虚(疲労・消化器の弱り)
  • 痰火上擾(食生活・耳の詰まり感)
  • 肝火上炎(ストレス・突然の耳の不調)

の4タイプに分けてアプローチします。


日常でできる養生
大音量のイヤホン・ヘッドホンを避ける(騒音性難聴の予防)、十分な睡眠と過労を避ける(腎精の消耗を防ぐ)、耳周りを温める(特に寒い季節は耳を冷やさない)、ストレスの発散と気の流れを整える生活リズム。

「がまんしなくていい。体の声に耳を傾けて」

——文字どおり、耳からのサインを大切にしていただきたいと思います。

一緒に相談しながら、丁寧に整えていきましょう。

難聴・耳鳴りでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
体質の見立てから、ご自身に合ったアプローチをご提案します。

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参考文献

1) 日本聴覚医学会 編『突発性難聴診療ガイドライン 2021年版』金原出版, 2021年.
2) 黄帝内経素問・陰陽応象大論篇(著者不詳, 古代中国)— 「腎主耳」に関する記述.
3) 黄帝内経霊枢・脈度篇(著者不詳, 古代中国)— 「腎気通於耳」に関する記述.
4) 張伯臾 主編『中医内科学』上海科学技術出版社, 1988年 — 耳鳴・耳聾の弁証分型の理論的根拠.
5) 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 ウェブサイト(https://www.jibika.or.jp/)— 難聴の分類と解説.


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鍼灸 縁庵

住所:大阪府茨木市永代町6-19 近藤ビル402

電話番号:090-3890-4915

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