ツボって結局なに?

query_builder 2023/10/20
茨木_鍼灸東洋医学体質改善
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さて、以前に経絡(気の流れる通路)に

ついて綴らせていただきました。

そして今回は経絡上にある経穴(ツボ)について。


よく耳にすることがあるかと思います、ツボ。


足ツボや耳ツボ、ツボを突く…とかね。


ドツボにハマる…

これは違うか。笑


まぁ、そのツボというものは元々は

穴(けつ)・腧穴(ゆけつ)・穴位(けつい)と言います。

鍼灸治療において鍼や灸が施されるポイントのことを指します。

『腧』には通ずる、という意味合いがあります。


十四経絡上にある腧穴は経穴(けいけつ)と言います。

※十四経絡=五臓六腑+心包の正経十二脈に加え、

  督脈+任脈を合わせたもの。


この経穴を確認することで経絡の状態や

その経絡がつながっている臓腑の状態を

確認することができます。


以前と同じ図を出しますが…



この図の線上にある◯の部分が経穴、ツボというやつです。


WHOで認められているものは経穴は361個あり、

左右対になっているものもあるので…

人体にはおよそ700以上のものが存在しています。


すごい数ですよね。笑


そのほか腧穴には

・奇穴(きけつ)

 …十四経絡上にない名称・部位・主治症が定まっているもの。

・阿是穴(あぜけつ)

 …名称や部位は定められていないが、

  病態と関わって出現したり、治療点となるもの。


などがあります。


もちろん、似たような効能を示すものもありますが、

一つ一つが効能が違うわけです。


この記事ではいわゆるツボが

そもそもどをしていこうと思います。


では!いきましょ〜う。


【ツボは気の出入りする場所】

ツボというものは穴と表現するくらいですから、

”気の出入りする穴のようなもの”と考えていただいてOKです。


それにも奥行きや幅があり、

ツボによって大きさや深さが異なってきます。

また、その人の体質や体調によっても左右されます。


それこそ本当に表面に口があって奥行きがあるので

『壺』をイメージしてください。


その口から身体内と体外で気の出入りが起こっているのです。

体表観察によってその口から穴位の状態を…

中の気が虚ろなのか?充実しているのか?

といった反応を確認していくわけですね。



これを鉄道に例えてみましょうか。


まぁ私は大阪人なので馴染みの深い大阪環状線で。笑


大阪環状線の線路を経絡としましょう。

そうすると、経穴にあたるのは『駅』です。


駅では人乗り降りしますよね。

これ、気です。


なんとな〜くわかりますかね?


そしてツボには臨床上重要な

作用を持つとされる主要なものがあります。

それを総称して『要穴(ようけつ)』といいます。

要穴には…五要穴、五兪穴、五行穴、四総穴、

八会穴、八脈交会穴、下合穴などがあります。


これら全部説明していると長くなるので…

また分割して説明していけたら…と。


さて、話を戻しまして。


これらの重要な作用を持つツボ、要穴が

大阪駅であったり、天王寺駅であったり、京橋駅であったり…

人の出入りが多く、特急も停車したり、

他の路線に連絡していたりする

重要な駅みたいなものになります。


ここの主要な駅の状態を確認することで

あちこちの線路上の状態が確認できるし、

異常があればそこに処置をすると効果を得やすい!

みたいな感じです。


勿論、これらのツボだけを処置するのではなく、

時には各駅しか停まらないような小さい駅でも事故が起こるように

場合によってはそちらに対応することもあります。笑


【ツボの確認の仕方】

理屈はわかったけど…

どうやってツボの状態を確認するの?


って話なのですが…


もうこれは訓練するしかありません。笑


一応、鍼灸やマッサージの学校教育では

骨度法(こつどほう)や解剖的表示法といって

◯◯から何寸のところ〜、や

△△筋と××筋の間に〜、など

そういった表現の仕方によって

ツボの場所を特定するように習うのですが…

それはあくまでも目安にしか過ぎません。

およその場所です。


ツボというものは人の体格、体質、体調によって

大きさや深さ、位置までもが左右されます。

よく「500円玉大の大きさで移動する」なんて

表現することもあります。


ですので、杓子定規的に場所を決めて処置をしても、

そこに反応が出ていなければツボのもつ効果を

引き出すことができません。


では、どんな反応があるのか?


先ほども記しましたが、

中が虚ろにな感じ、

もしくは充実している感じがあったり、

冷え、熱感、発汗があったり、

陥凹したり、膨隆していたり…と

反応は様々あります。


ツボという、ごく小さい場所に現れる微妙な反応を

逃さずに捉えることで”そのツボが何を示しているのか”

を判断することができます。


ほんっとうに言われないとわからないような反応です。

でもわかるとこれが面白いのですよね〜。


そこに、反応のある場所に

その反応にあった鍼灸を施すことによって

効果がしっかりと現れてくれるわけですね。


前もどこかで話したと思いますが…

勘の悪い私はその反応がわかるようになるまで1年かかり、

それを身にするまで3年かかりました。

毎日毎日、自分の身体のあちこちを触りたくりましたね。笑


本来、それほど繊細な技術なのです。鍼灸って。


肩こりだからとりあえず僧帽筋!

腰痛だからとりあえず脊柱起立筋!

じゃないんです。

このツボはこれに効く!

その症状にはこのツボだ!

と決めつけるのも…ナンセンス。


勿論、それで良くなる場合もありますが…

そういったものは東洋医学ではありません。

伝統としての、本来あるべき鍼灸の姿ではありません。


勿論、それで良くなることもありますが

根本的な解決になるとは思いませんし、

そんな簡単な考えでやるようでは

鍼灸の安売りをしているように見えて

私は悲しくなりますね…。

(あくまでも個人的な意見です)


これ以上は辞めときましょう。笑



まぁ、それほどデリケートなものなのです。ツボって。


だから…

「ネットで調べてお灸してみました」

「ツボ押し始めました」

といって余計に悪化してしまう患者さんも

たまにいたりいなかったり…笑


だから私は◯◯にはこのツボ!

という頭でっかちなコラムはしません。

せめて”効果がある場合がある”ですね。



その人の病態をしっかり把握した上で、

それぞれのツボの効能を理解し、現状を加味して

700以上ものツボの中から1つだけに絞って処置をする…


故に人体の治そうとする力が集約するために

大きな反応を生むことができる…


理屈は至ってシンプルですよね。笑


だからこそ奥が深くて楽しいのです。


まさに私にとてのツボなのです、鍼灸って( ̄▽ ̄)♪

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鍼灸 縁庵

住所:大阪府茨木市永代町6-19 近藤ビル402

電話番号:090-3890-4915

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