二十四節気『小寒』食養生

query_builder 2025/01/07
茨木_鍼灸東洋医学
小寒イメージ画像

今回は『小寒(しょうかん)』についての食養生です。


2025年の大雪は1月5日から1月19日の期間です。


二十四節気のは、冬を象徴する節気であり

一年の中でも最も寒さが厳しくなる時季

とされています。



「寒の入り」とも呼ばれ、

この言葉も寒さが本格的に始まることを示していますね。

そしてこれから立春の前日までを

「寒の内」と言い、特に寒い期間が続くとされます。

寒中見舞いを出したりするのもこの頃ですね。


これらは暦の中では冬の終わりに位置し、

春を迎える準備を整える重要な期間とされています。

 

これまでにも綴ってきたように冬は「腎」の臓の季節であり、

体のエネルギー(精)を蓄える時季です。

腎は寒邪(冷え)によって悪影響を受けやすいので、

腎を温めてあげることが特に重要です。

 

さらに年末年始は一般的には運動量の低下、

暴飲暴食傾向になるケースが多いので…笑

疲れた胃腸を労ってあげましょう。


日本には正月明け(7日頃)に

七草粥を食べる風習が昔からありますが、

これは胃腸を休めることが目的であるように、

これからは少食を心がけるのが良いでしょう。

七草粥は若芽を食べることで生命力を取り入れ、

無病無災を祈念する、という意味合いもあります。

 

つまり寒さが一層、厳しくなるこれからは

胃腸を労わりつつ、冷えに負けないように

身体を温めてあげるような食材を摂り、

春に向けてエネルギーを養っていく時季ということになります。


例のごとく、いくつか提案いたしますので

少しでも…主婦の方々の悩める献立考案の

役に立てることができれば幸いですm(_ _)m


【小寒に摂りたい食事・料理】

・かぶ

身体を温めてくれる温性の食材でありつつ、

 加熱して食べると甘さも増して一層、胃腸を養ってくれるので

 便秘や消化不良などの胃腸の不調に効果的です。

 すりおろして味噌汁やスープ、鍋に入れるだけでも

 身体がぽかぽかになりますよ!

 私は甘酒とほぐした梅、塩昆布と共に漬けて一晩寝かし、

 べったら漬け風にしていただいたりします。

 麹のチカラで腸内の働きも助けてくれるのでお勧めです。

 

☆かぶのそぼろ煮

→消化を助けてくれるかぶに、

 ひき肉と一緒に煮て少しとろみをつけると

 寒い時季に滋味深いおかずになります。

 生姜を少し足して一層温まるように仕上げるのも良いですね。

 かぶが無ければ大根でも代用できます。

 

・鱈(たら)

→鱈の旬は1月〜3月です。

 つまりこれからが一番美味しい時季になります。

 鱈は腎のみならず、肝・脾の臓もサポートし、

 気血を補い、血流も良くするため

 疲労回復、春に向けての滋養にもってこいです。

 因みに鱈は鮮度が落ちやすい魚のため、

 海が近い地域以外ではなかなか刺身で食べることがありません。

 火を通していただくようにしましょう。

 

☆鱈の寄せ鍋

 鱈をメインとし、冬場に摂りたい食材である

 豆腐、根菜を入れるようにしましょう。

 先述した理由でかぶを擦りおろして入れると

 お鍋の旨味も増しつつ、一層身体を温めてくれる

 冷え知らずの鍋の出来上がりです!

 一手間加えるだけでいいので是非、お試しあれです。


【七草粥を食べよう】

さて、先ほど七草粥を紹介しましたが、

七草、ご存じでしょうか?


  • 芹:セリ
  • 薺:ナズナ
  • ゴギョウ(母子草:ハハコグサ)
  • ハコベラ(繁縷:ハコベ)
  • ホトケノザ(田平子:タビラコ)
  • 鈴菜:スズナ(かぶ)
  • 清白:スズシロ(だいこん)


ですね。


先ほど紹介したかぶ、や大根を使う際には

葉も残しておき、有効活用してください。


ここからはちょっとした豆知識ですが、

七草粥は日本独自のものではなく、

そのルーツは中国の

「七種菜羹(しちしゅさいこう)」

という風習からきています。


これは古代中国の宮廷や貴族の間で行われた伝統行事の一つで、

この習慣は東洋医学や陰陽五行思想に基づき、

季節の変化と身体の調和を保つ目的で行われました。


これぞ薬膳って感じですね。


日本に伝わったのは平安時代ごろだと言われております。


中国では、毎年旧暦の正月(1月初旬)、

「人日(じんじつ)」と呼ばれる日は

”人を大切にする日”とされ、

人の無病息災を願う行事が行われます。


一年の初めに自然界から七種の新鮮な野草や野菜を

取り入れることで、生命力を補うことで

その願掛けをする、ということですね。


七種菜羹に使用される野菜や草には地域差がありますが、基本的にはその時期に採れる

新鮮な野草や葉野菜が選ばれました。


日本の七草とは異なり、

必ずしも固定された種類ではなかったのですね!


因みにですが…

次のようなものが含まれることがあったようです。

  • 葱:ネギ
  • 芹:セリ
  • 蒲公英:タンポポ
  • 茼蒿(春菊):シュンギク
  • 馬齒莧:スベリユ
  • 胡瓜草:キュウリグサ
  • 白菜


難しい漢字ばかりですね。笑


先ほども言ったようにあくまでもこれらは例であり、

食材は各地の気候や文化によって異なり、

それぞれの地域特有の植物が用いられました。


こういったルーツ、風習がある七草粥ですが…

買い揃えるのも手間だという人は…


『黒米粥』もお勧めです。

黒い食材は冬の臓である腎を補うとされ、

黒米もその一つです。


塩少々、生姜を1〜2片を千切りにして

入れて煮るだけなのでシンプルかつ簡単です。


現代の栄養学的にもミネラルやビタミンB、

アントシアニン、食物繊維などが含まれており

「スーパーフード」と称されるほど栄養価も高いので

お勧めですよ!


今、コロナウイルスやインフルエンザが流行しており、

体調不良を訴える人が多いですが…

人の身体は食べ飲みしたもので構成されるのでね、

こういった食材1つから少しずつ気にかけて…

免疫力をあげておき、ウイルスや細菌に

負けないような身体を日頃から用意しておきましょう。


まさに『未病を治す』ですね!

----------------------------------------------------------------------

鍼灸 縁庵

住所:大阪府茨木市永代町6-19 近藤ビル402

電話番号:090-3890-4915

----------------------------------------------------------------------

NEW

VIEW MORE

CATEGORY

ARCHIVE

TAG