めまいの原因と種類|東洋医学と鍼灸でのアプローチ
「最近ふらつく…」
「天井がぐるぐる回る…」
「朝起きるとめまいがして動けない」
——めまいは、突然の発症から慢性的な不快感まで、日常生活に大きな支障をきたす症状です。
めまいには複数の種類があり、原因によって対処法が異なります。命に関わる原因を除外したうえで、適切な医療機関や施術を選ぶことが大切です。
「歳のせいだから仕方ない」
「ただのストレスだろう」と放置しないことが重要です。
茨木市の鍼灸院「縁庵(よすがあん)」は体質の見立て(弁証)をもとにお一人おひとりに合った施術を行っています。
本記事では、めまいの種類・原因・西洋医学での診断から、東洋医学の視点と鍼灸でのアプローチまでを解説します。
👉 難聴の原因と種類|東洋医学と鍼灸でのアプローチもあわせてご覧ください。
めまいの種類と原因
回転性・浮動性・失神性めまい
めまいは、感覚の内容によって大きく3種類に分けられます。
回転性めまい(Vertigo)
周囲や自分がぐるぐる回っているように感じるタイプです。内耳の平衡機能障害で起こりやすく、吐き気・耳鳴り・難聴を伴うこともあります。
良性発作性頭位めまい症(BPPV)やメニエール病が代表的です。
浮動性めまい(Dizziness)
ふわふわ宙に浮くような不安定な感覚で、フラフラとした動揺感が特徴です。
自律神経の乱れ・貧血・更年期障害・疲労などが原因になりやすいタイプです。
失神性めまい(Presyncope)
目の前が暗くなり意識が遠のくように感じるタイプで、立ちくらみがこれに該当します。
急に頭への血流が不足することで起こります。起立性低血圧・不整脈・貧血などが原因です。
特に注意が必要なのが中枢性めまいです。脳梗塞・脳出血・椎骨脳底動脈循環不全などが原因のめまいで、頻度は高くありませんが命に関わることがあります。
手足のしびれ・呂律が回らない・物が二重に見える・激しい頭痛・意識障害などを伴う場合は、すぐに救急を受診してください。
診断と西洋医学の治療
検査と主な治療法
めまいの診察では、症状の現れ方(回転か浮動感か、持続時間、きっかけの動作の有無)、随伴症状(耳鳴り・難聴・頭痛・神経症状の有無)を丁寧に問診したうえで、必要な検査が行われます。
眼振検査・平衡機能検査
めまい発作中に生じる不随意な眼球運動(眼振)を観察します。
フレンツェル眼鏡や赤外線カメラで眼振のパターンを確認し、原因部位を絞り込みます。
Romberg検査・Fukudaテストなどで平衡感覚も評価します。
聴力検査
内耳が原因のめまいでは聴力低下を伴うことがあります。
メニエール病では低音域の難聴が特徴的です。
画像診断(MRI・CT)
中枢性めまいを疑う場合に行います。
脳幹・小脳の梗塞や腫瘍の有無を確認し、命に関わる原因を除外します。
薬物療法・前庭リハビリ
内耳の血流を改善する循環改善薬・抗めまい薬・制吐薬などが使われます。
BPPVには頭位変換療法(エプリー法など)が有効です。
前庭リハビリテーションにより脳の適応を促すことも重要です。
院長の日野より
「めまいでご来院の方の中には、MRIや耳鼻科の検査で『異常なし』と言われたけれど症状が続く、という方が多くいらっしゃいます。
西洋医学での異常が見つからない場合でも、東洋医学では体質から原因を探ることができます。
ただし、はじめてのめまいや急激に悪化するめまいは、まず医療機関で中枢性の異常を除外していただくことを強くお願いしています。」
東洋医学から見ためまい
清陽不升・痰濁・肝風——めまいの本質
東洋医学では、めまい(眩暈)を
「清陽が頭部に昇らない」
「痰湿が頭部を覆う」
「肝の風が揺動する」といった概念で捉えます。
『丹溪心法』には「無痰不作眩(痰なくして眩は起こらず)」という有名な言葉があり、痰湿がめまいの主要な原因として重視されてきました。
また『黄帝内経素問・至真要大論篇』には「諸風掉眩、皆属於肝(風による動揺・めまいは皆、肝に属す)」とも記されています。
縁庵では弁証(体質の見立て)によって主に6つのタイプに分けて施術します。
肝陽上亢タイプ
主な症状:ストレス・怒りで悪化する回転性めまい・頭痛(こめかみ)・耳鳴り・イライラ・目の充血・顔が赤くなりやすい・不眠
強いストレスや感情の抑圧によって「肝」の陰が不足し、肝陽が頭部に上りすぎた状態です。
「圧力をかけすぎたボイラーが上に噴き出す」ようなイメージです。
働き盛りでストレスが多い方、高血圧傾向の方に多いタイプです。
痰湿中阻タイプ
主な症状:頭が重くぼんやりする浮動性めまい・頭重感・吐き気・食欲不振・胸のつかえ・口の粘り感
脾の機能低下から生じた痰湿が頭部を塞ぎ、清陽が上昇できなくなった状態です。
「濃い霧が頭を覆っている」ようなイメージです。
食生活の乱れ・過食・脂っこいものを好む方に多いタイプです。
腎精不足タイプ
主な症状:慢性的な浮動性めまい・耳鳴り(高音・持続的)・物忘れ・腰膝のだるさ・夜間頻尿・疲労感
加齢や過労・慢性疾患によって腎精(生命エネルギー)が消耗し、脳髄への栄養が不足した状態です。
「エネルギーの貯金が底をついてきた状態」のイメージです。
加齢による慢性的なめまいに多いタイプです。
気血両虚タイプ
主な症状:立ちくらみ・動作時に悪化するめまい・疲れると悪化する・顔色の悪さ・動悸・息切れ・食欲不振
気(エネルギー)と血(栄養)の両方が不足し、頭部への栄養供給が滞った状態です。
「工場の生産力と運搬力が同時に落ちている」ようなイメージです。
消化器が弱く、慢性的な疲労を抱えている方に多いタイプです。
瘀血タイプ
主な症状:固定した頭痛を伴うめまい・頭部の刺すような痛み・唇や舌が暗紫色・手足の冷え・夜間に悪化
血の循環が滞り(瘀血)、頭部への血流が阻害された状態です。
「パイプが詰まって流れが悪くなっている」ようなイメージです。
外傷歴・慢性疾患・長期のストレスで血流が滞りやすい方に見られるタイプです。
肝火上炎タイプ
主な症状:急激に起こる激しい回転性めまい・耳鳴り(高音・突発的)・頭痛・口の苦み・目の充血・便秘傾向
強い怒りや感情の高ぶりにより肝の火が急激に上昇した状態です。
「激しい炎が頭に燃え上がる」ようなイメージです。
急性期のめまい発作・感情の激しい変動がある方に多いタイプです。
鍼灸での改善アプローチ
縁庵での鍼灸施術
縁庵では北辰会方式の東洋医学に基づき、脈診・腹診・問診から体質タイプを判断し、そのタイプに合わせたツボを選択します。少数鍼(極力1本を基本)で気血の流れを整え、頭部への栄養と血流のサポートを目指します。
めまいに関わるツボとして「百会(ひゃくえ)」「風池(ふうち)」「内関(ないかん)」「足三里(あしさんり)」「太衝(たいしょう)」「三陰交(さんいんこう)」「腎兪(じんゆ)」などが代表的ですが、実際の施術では弁証の結果によって選穴は変わります。
中枢性のめまい(脳卒中など)は鍼灸の適応外です。
はじめてのめまいや急激に悪化するめまいは、まず医療機関で原因を確認してください。
一方、末梢性のめまいや、検査で異常が見つからない慢性的なめまいに対しては、体質改善・自律神経の調整・耳周囲の血流促進を目指したアプローチが有効です。
「病院では異常なしと言われたけれど、めまいが続いている」
「薬を飲んでいても改善しない」
「メニエール病で発作を繰り返している」
——そんな方はぜひ一度ご相談ください。
まとめ:養生と日常ケア
めまいの種類と対応
回転性(内耳・前庭神経)・浮動性(自律神経・全身の気血不足)・失神性(血流低下)の3種類があります。
中枢性のめまいは命に関わるため、神経症状を伴う場合はすぐに医療機関へ。
東洋医学では体質タイプで対応
- 肝陽上亢(ストレス・高血圧)
- 痰湿中阻(食生活・頭重感)
- 腎精不足(加齢・慢性疲労)
- 気血両虚(消化器の弱り・立ちくらみ)
- 瘀血(血流の滞り)
- 肝火上炎(急性の激しいめまい)
の6タイプに分けてアプローチします。
日常でできる養生
- 十分な睡眠と過労を避ける(腎精・気血の消耗を防ぐ)
- 急な頭の動きや体位変換はゆっくりと行う(BPPVの誘発を防ぐ)
- ストレスを溜め込まない生活リズム(肝の疏泄を助ける)
- 食事は腹八分目で消化に優しいものを(痰湿の産生を防ぐ)。
「がまんしなくていい。体の声に耳を傾けて」
——めまいというサインを大切にして、一緒に丁寧に整えていきましょう。
めまい・ふらつきでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
体質の見立てから、ご自身に合ったアプローチをご提案します。
参考文献
1) 日本めまい平衡医学会 ウェブサイト(https://www.memai.jp/)— めまいの分類と診療ガイドライン.
2) 黄帝内経素問・至真要大論篇(著者不詳, 古代中国)— 「諸風掉眩、皆属於肝」に関する記述.
3) 朱震亨『丹溪心法』(元代, 中国)— 「無痰不作眩」に関する記述.
4) 張伯臾 主編『中医内科学』上海科学技術出版社, 1988年 — 眩暈の弁証分型の理論的根拠.
5) 谷口医院「めまいについて」(最終閲覧日:2026年2月16日)https://www.taniguchi.or.jp/medical/dizziness/
鍼灸 縁庵
住所:大阪府茨木市永代町6-19 近藤ビル402
電話番号:090-3890-4915
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