たんぽぽコーヒー|なぜ妊婦や産後に良いとされるのか?

query_builder 2025/04/22
東洋医学自律神経
たんぽぽコーヒー 蒲公英

先日、患者さんにこんなことを言われました。


「妊婦さんや産後の母乳にはたんぽぽコーヒーが良いって昔から言いますよね。何でなのですかね?」


そもそも、

一般的にそのように考えられていることを

私は知らなくて、答えられませんでした。


「何故なのだろう?」 と疑問に思い、

調べてみてわかったことと、

それに対して東洋医学的視点で考察してみたところ、

非常に面白かったので今回記事にしました!


ぜひ、ご一読ください。


【妊娠・産後の「コーヒー」問題】

妊娠中や授乳期において、

コーヒー好きな方が悩むことの一つに

「カフェインの摂取制限」があります。


一方で、朝の習慣として

「コーヒーを飲みたい」

「ほっとしたい」

という気持ちを抱える方も多く、

代替品として注目されるのが

「たんぽぽコーヒー」です。


しかし、単に

「ノンカフェインだから安心」

という理由だけでは説明がつかないほど、

たんぽぽコーヒーには妊娠期・産後の

身体に嬉しい特徴がいくつもあるのです。



【なぜたんぽぽコーヒーが選ばれるのか?】

そもそも、

「たんぽぽコーヒー」とは何なのでしょうか?


たんぽぽコーヒーは、

「タンポポの根っこ」を

焙煎して粉末にした飲み物です。


見た目や風味はコーヒーに似ており、

香ばしく、少し苦味もありますが、

カフェインは一切含まれていません。


原料となるのは

「西洋たんぽぽ(Taraxacum officinale)」の根。

この根の部分には、苦味成分や食物繊維、

ミネラル(特にカリウム)などが豊富に含まれ、

健康茶の一種としても親しまれています。



【現代医学と東洋医学の2つの視点から分析】

現代医学の視点から見たメリット

  1. カフェインフリー
    妊婦・授乳中に安心して飲める。
    眠りや赤ちゃんへの影響を気にしなくて良い。
  2. 利尿作用カリウムが豊富で、むくみやすい妊娠や
    産後の身体に自然な利尿サポートをもたらす。
  3. 消化・肝機能サポート
    苦味成分(タラキサシンなど)が胆汁分泌を促進。
    食後のもたれや便秘、肌トラブルの予防にも。


などが考えられます。

この辺りは一般的に知られていることもあり、

耳にすることもあるのではないかと思います。


では、これに対して

東洋医学的視点ではどのようになるのでしょうか?


東洋医学の視点から見るたんぽぽコーヒーの効能

たんぽぽは古くから生薬としても使用されていました。

生薬名では蒲公英(ほこうえい)といい、

日本では根のみを乾燥させたものが流通しており、

蒲公英根(ほこうえいこん)と称します。


性味は甘・苦寒性です。

帰経(影響する臓腑)は肝・胃です。


《効能》

清熱解毒(熱を冷まし、邪を排出する)

・消腫散結(詰まりをほぐし、腫れを取る)

苦味で滞った気を散じ、

甘味で緩め、寒で清熱する効能があります。


これにより「乳腺の詰まり」や

「乳腺炎の予防」として、

母乳育児における援助食材として

古典的にも使われていたようです。


また、帰経がであることから

肝の臓の疏泄(気の流れ)を

助けるように働くこともわかります。


肝はストレスの影響を強く受け、

気が鬱滞しやすい傾向にあるため

肝気鬱結の解消=ストレス性の乳汁不足や

情緒不安定へのアプローチに有効

とも考えられます。


また、気の流れるルートである経絡では

足厥陰経も足陽明経も

乳頭・乳房を流れますので

よりいっそう、母乳育児への応用にも

理にかなっていると言えるでしょう。


【どんな人におすすめ?】

  • 妊娠中、コーヒーの代わりになる
    安心な飲み物を探している方


  • 産後のむくみ・便秘・母乳分泌に悩んでいる方


  • 食後のもたれや肝の疲労感が気になる方


  • 東洋医学に興味があり、
    自然なセルフケアを取り入れたい方


たんぽぽコーヒーは、上記のような方々にとって

「嗜好品としての満足感+身体へのやさしさ」が

両立された選択肢となり得ます。


コーヒー好きなのに飲めない!

という方にとってのヒーローとも言えますね。


【注意点や選び方】

たんぽぽコーヒーといっても、

製品によってはブレンド成分に

カフェインを含むものもあるため、

「タンポポ100%」「無添加」「ノンカフェイン」などの

表記がある商品を選ぶのがおすすめです。


また、寒性があるため、

身体が冷えやすい方は温かく淹れて飲む、

もしくは生姜やシナモンなどの温性の食材と

組み合わせるとバランスが整いやすくなります。


さらに、たんぽぽはキク科の植物であるため、

キク科アレルギーを持つ方は注意が必要です。


まれに皮膚のかゆみや喉の違和感など、

アレルギー反応を起こすケースも報告されています。


初めて飲む場合は、少量から試し、

自身の体調をよく観察しながら取り入れましょう。


【まとめ】

「たんぽぽコーヒーが妊婦や産後に良い」

と言われるのには、きちんとした理由がありました。


現代医学的な栄養学・機能性成分に加えて、

東洋医学的な理論からも裏付けがある点は

調べてみて非常に興味深かったです。

身体にやさしい“妊産婦のための自然な飲み物”として、

理にかなっていると感じました。


たんぽぽコーヒーに限らず

普段の食事やお茶の選び方にも、

少しだけ東洋医学の視点を取り入れてみると、

日々の暮らしがちょっと豊かになるかもしれません。


当院でも患者さんに普段から取り入れやすい養生として

お身体にあったお茶や食材を提案することがあります。


何か不調があるときは、

日頃の、口にするものから少し考え直してみませんか?

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鍼灸 縁庵

住所:大阪府茨木市永代町6-19 近藤ビル402

電話番号:090-3890-4915

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