五臓六腑〜小腸の腑〜

query_builder 2023/08/25
茨木_鍼灸東洋医学自律神経
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東洋医学の蔵象学と、西洋医学の内臓学の考え方の違いについて。

五臓六腑のお話。現在は六腑シリーズに入り、

前回は『胆の腑』について綴りました。


五臓六腑〜胆の腑〜


何度も話していますが六腑とは

『胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦』の6つです。


今回は『小腸の腑』について綴っていきたいと思います。


小腸の腑、という言い方も聞き慣れないと思うので…

ここからは小腸と書いていきます。


小腸といえば西洋医学の考えでは、

胃で消化されたものが流入する場所ですね。


分解すると、空腸・回腸に大別され

(場合によっては十二指腸も含む場合も)、

人体の中で最も長い臓器とされています。

その長さはなんと6mにも及ぶのだとか…。


主な働きとしては蠕動(ぜんどう)運動のよって

消化物を輸送しながら消化酵素を分泌し、

様々な栄養素を最終的な分解物へと消化しながら

栄養を濾し出し、吸収します。

そして残ったものを大腸へと送る働きをしています。


東洋医学でも、

”消化器官”という点ではかなり似通った面があります。


しかし勿論、

それだけではないところが東洋医学の面白いところです。



さて、いきましょう。



【東洋医学の視点からみる 小腸の腑】


黄帝内経・素問ー霊蘭秘典論篇

「小腸者.受盛之官.化物出焉.」

とあります。


いつもの…東洋医学の経典からの引用ですね。


受盛の官というのは受け取るってことでそのままですね。

胃から降ろされた消化物の受け皿になる。


そして化物は食物から抽出された

精微(栄養)という意味で総じて消化・吸収を表しています。


ここまでは西洋医学とあまり変わらないと思います。


ただ、東洋医学では五臓六腑それぞれが主る

身体に気の流れる経路である『経絡』があります。


これがやはり大きな違いだと思います。



今回の小腸の腑に関しては

『手太陽小腸経』という手の小指から始まり、

前腕の内側、肘の内側、上腕内側、肩甲骨周辺を巡って、

前へ出てきて鎖骨周辺に入り首、顎を通って目に入り、

最後は耳に至ります。


鎖骨周辺に入ったときに枝分かれしたものが

胸中へ入って更に下り、胃を通って小腸へと繋がります。







耳に最後は入ってくる、ということから

耳の疾患にも関与してきます。

この場合は比較的浅い部分…

外耳炎などが当てはまるかと思います。

ストレス性の耳鳴りなんかも関与する場合もあります。


また、首の横側や肩甲骨周辺を流れていることから、

手太陽小腸経上にあるツボを使って

寝違いで振り向くのがつらい、と行った場合や

慢性的な肩こり首こり、肩・首の痛みなどに用いることもあります。


勿論、小腸の…というより消化器全般の不調や

栄養吸収の状態や水分代謝が悪い場合にも

この経絡上のツボを使用することがあるのですよ。


この辺りは西洋医学とは違うところで面白い点だと思います。



【院長がよく使うツボの紹介】


私がよく使うツボが、この手太陽小腸経の経絡上にあります。

『後渓(こうけい)』というツボです。



丁度、小指の根元のぽこっとしている骨の下際にあるから後渓です。


このツボは陽を主る経絡である

督脈(とくみゃく)と繋がっているため、

熱(=陽)を散らすのに非常に長けたツボです。

また、気を引き下げる作用も持ちます。


なのでストレスが溜まって溜まって気が昇ってしまい、

肩こりがキツイ、頭痛がする、イライラしやすい…

などの身体がへと傾いてしまっている人…

つまり常に緊張状態が強い人は、この後渓のツボが

パンパンに突っ張っていることが多く見受けられます。


その場合は非常に効果を出してくれる場合がありますね。

気が昇ってしまい、身体が熱(陽)へと傾いている人です。

まぁいわゆる自律神経系の話で言うならば…

交感神経が優位になりまくっている人ですね。


しかしそんな人でもツボに反応がなければ

勿論、効果を発揮しないので

ただ使えばいいというわけでもありません。


何事もケースバイケースです。


作用の強いツボでもありますので下手したら

悪化する場合がありますので気をつけたいところですね。



そう…ツボってね、鍼灸ってね、

良くすることもできれば…

悪くすることもできちゃうのですよ。怖いことに。


だからうちは長いこと話聞いて、

丁寧に体表観察(体の反応を確認する)して、

ここ!というところに絞って処置させていただくわけですが…


これ以上言うと…

色々と反感喰らいそうなのでここまでにしましょうか。笑


こうやってツボの効能や作用について話すのも面白いですね。

また機会があれば…どんどん紹介していこうかな。





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鍼灸 縁庵

住所:大阪府茨木市永代町6-19 近藤ビル402

電話番号:090-3890-4915

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