【東洋医学と漢字のロマン】氣(気)の語源とは?説文解字に見る“エネルギー”の意味

query_builder 2023/05/28
茨木_鍼灸東洋医学
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「気」って、いったい何なんでしょう?
先日、東洋医学における「気(き)」の概念について書きました。


気とはなにか?〜東洋医学の概念と鍼灸の役目〜



目には見えないけれど、私たちの体や心を動かす力――

それが「気」です。


この「気」、現代では「気功」「元気」「気分」など

日常でも使われていますが、そもそもこの漢字自体には

どんな意味が込められているのか、ご存知でしょうか?


今回は、漢字の起源や構造から

「気」の世界をのぞいてみようという、

ちょっと東洋医学らしい漢字雑学回です。


あくまで豆知識として、気軽に読んでいただけたら嬉しいです。


「氣」と「気」―ふたつの漢字の違い


現在は「気」と書くことが多いですが、

旧字体では「氣」と書きます。

部首の「气(きがまえ)」に

「米(こめ)」が加わった形が「氣」ですね。

この「米」がポイントです。


実は、「氣」は”米”を蒸したときに立ちのぼる湯気を表しています。

つまり「氣」は、ただの気体ではなく、

エネルギーや栄養を含んだ気体、すなわち

“生命エネルギー”を象徴している漢字なのです。


【『説文解字』と漢字のルーツ】

中国の話になりますが…

中国最古の字書である

『説文解字(せつもんかいじ)』の後序にはこうあります。


「昔、伏羲(ふっき)氏が易の八卦を画し、

蒼頡(そうけつ)が万象の姿を捉えて文字とした」


つまり、漢字とは

自然界のあらゆる現象を象(かたど)って生まれたものとされています。

漢字の成り立ちは「象形文字」から始まり、

やがて意味を含んだ記号として進化していきました。



現在、考古学的に現存する漢字の中で最も古いと言われているのは

殷(いん)王朝時代(紀元前17世紀頃 - 紀元前1046年)の
遺跡から発掘された”甲骨文字”です。


甲骨文字は亀の甲羅や牛の肩甲骨に

卜(ぼく:占い)の結果を記すために使用されていました。

だから”甲骨”文字といわれるのですね。


(因みに占いの方法は甲羅や肩甲骨の裏に小さなくぼみを作って

火で炙った金属棒を差し込んで熱せられた表面に生じる亀裂の形で

吉凶を見ていたようです)



どうやら、”漢字の起こり”っていうのは

部首や漢字を構成するのに必要な文字のこと

を示しているようです。

いわゆる、象形文字がこれに当てはまると思います。



これがどんどんと進化していき、

1字に意味を含む甲骨文字になったということですね。


しかし今の漢字とは違い、やはりほぼ絵に近いものです。



【気という漢字の起源は?】

さてさて…

では話を戻します。

『气』という漢字ですが、これは

鍋蓋にせき止められている湯気が屈曲しながら出てきている様子…

要するに曲り目をすり抜けて気の漏れるものを表しているようです。


これこそ、形を文字に起こした象形文字ということになります。


単独の意味では、

やはり空気や湯気などの気体としての「き」を表します。


では『氣』という漢字。

これは米を蒸して、

その蓋の隙間から漏れ出る湯気のことをいっています。


つまり、ただの気体ではなく”エネルギーを含んだ気体”

ということが想像できるかと思います。


これが人体に流れるエネルギーとしての氣でもあり、

天人地(自然界)の間に流動するエネルギーとしての氣であったりと

そのようなニュアンスになってくるわけですね。


『氣』がやがて『気』となり…

今では区別されないようになっていますが、

このように元々の旧字体なんかは単独でも

意味をしっかり含んでいるものがたくさんあるのです。


今回は『氣・気・气』という漢字で例えましたが、

これらが連なり、単語となると

さらなる意味を持つようになるのですね。



こういうこともあり…

ただ単にツボの名前をそのまま覚えるのではなく…

漢字の含む意味合いまで理解しておくと

また面白い視点でツボの概念を捉えることができるのです。



人体には400近いツボがありますから

それを全部調べる…なんてことはなかなかに酷ですけれども。笑


常用するツボを調べてみたりとか、

再認識するために調べてみたりとか…

掘れば掘るほどその意味が深くなるのが東洋医学の面白さですよね。


さすが、気一元の世界です。

無限の世界ですね。


【まとめ】「氣」という字から広がる東洋医学の世界

「氣」は「米」を蒸したときの湯気=エネルギーを持った気体
「気」はその略字で、現代に受け継がれた形。
その成り立ちを知ることで、
東洋医学やツボの世界がより深く感じられると思います。


ツボ名や漢字の背景を知ることで、

施術者としての理解も深まるような気がしています。


漢字はただの記号ではなく、思想のカタチなんだと実感します。
人体が「小宇宙(ミクロコスモス)」といわれるように、
東洋医学もまた、気という一文字に
無限の意味を含んでいるのかもしれません。



そう考えたら…

ツボに名前をつけた古代中国の人達は…

なかなかにロマンチストで、考え込んでいるのだなぁ。


という、ただの私が最近感心した話でした。


故に、

容易に”氣”を用いる人は、少しいけつかないわけなのです。笑

例えば…

「氣力が湧いた」や「やる氣が出る」などはまだいいですが…
「氣付いた」や「◯◯な氣がする」など…。

あんたほんまに意味わかって使ってんの!?


となってしまいますね…。


SNSでは”『氣』を使うのはヤバイやつ”的な雰囲気が出ていますが、

勉強もせず、雰囲気や

「『氣』使ってる俺カッケー!!」となっている方がヤバイやつです。笑


しっかりとした意味合いがありますので


ご拝読ありがとうございましたm(_ _)m

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鍼灸 縁庵

住所:大阪府茨木市永代町6-19 近藤ビル402

電話番号:090-3890-4915

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