氣と米の関係性から読み解く|東洋医学が教える“食”と“エネルギー”の話

query_builder 2025/04/23
東洋医学体質改善
氣と米の関係

「氣」と書いて「き」と読みますが、

この“氣”という字に「米(こめ)」が

含まれている理由をご存知ですか?

実は、東洋医学で語られる

“生命エネルギー”としての氣と、

「米(こめ)」は非常に深い関係があるのです。


そして現代社会では、

「太るから…」という理由で

“米=悪”というような風潮すらありますが、

本当にそうなのでしょうか?

今回は東洋医学的な視点から、

その答えを探ってみましょう。


氣に含まれる「米」の意味

「氣」という漢字は、

「气(湯気・気体)」と

「米」で構成されています。

これは、

“米を炊いたときに立ち昇る湯気”

象った象形であり、エネルギーを含んだ気体

──つまり、生命力の象徴なのです。



現代で用いられる「気」は

その簡略化された文字ですが、

旧字体の「氣」には、

東洋思想における

“氣=生命活動の源”という

重要な意味が込められています。


字の語源については

以前にも記事にしていますので

ぜひ、こちらも一読ください。

【東洋医学と漢字のロマン】氣(気)の語源とは?説文解字に見る“エネルギー”の意味


東洋医学と飲食生気の考え

東洋医学には「飲食生気(いんしょくせいき)」

という考え方があります。

これは、食べたものが

身体の“気(エネルギー)”を生み出す、

という考えで、五臓では特に

脾胃(消化器系)の働きによって

食物が気・血・津液(しんえき)
変化するという理解に基づきます。


“食べたものが血になり、肉になる”と、

今でもよく言われる表現ですし、

そもそも人間を含む動物は

食べてエネルギーを得なければ、

痩せ細って飢餓となり死んでしまいます。


当たり前ですが、食事って大事なのです。


中でも「米」は

補気健脾(気を補い脾を助ける)の性質があり、
古来より米食文化である日本人にとっては

特に消化吸収に適した主食とされています。


白米=悪?糖質ダイエットと東洋医学のズレ

近年、“糖質オフ”“糖質制限”などの

健康法が注目される中で、白米を控える、

あるいは極端に抜くという傾向が広がっています。


しかし東洋医学の視点から見ると、

米は氣を養い、胃腸を支えるために欠かせない食材。


先ほども書きましたが、

特に日本人は長年にわたって

米を主食としてきた民族であり、

体質的にも米を消化吸収する能力に優れています。


もちろん現代人の運動量に対して

過剰な摂取は控えるべきですが、

“米=悪”という短絡的な判断は、

かえって気虚や脾虚を引き起こし、

疲れやすい・冷えやすい・消化力の低下

などの不調につながることがあります。


運動と氣の関係|「脾は四肢を主る」ことの意味

東洋医学には

「脾は四肢を主る(ひはししをつかさどる)」

という言葉があります。


これは、脾が生成した“氣”“血”が、

四肢の働きを支えていることを意味します。


しかし逆に言えば、

適度に四肢を動かすことによって

脾の働きが活性化するという側面もあるのです。


特に散歩や軽い有酸素運動のような

“ゆるやかに四肢を使う動き”は、

脾胃(中焦)の気の流れを助け、

消化吸収機能を高めるとされています。


つまり、

「米を食べて氣を養い、適度に身体を動かす」

ことこそ、 気の生成と

循環を促す理想的な養生法なのです。


養生としての「米」の智慧

米は五穀の中でも“中庸”の性質をもち、

偏りのない滋養を与えてくれる食材です。


特に疲れが取れないときや、

胃腸が弱っているとき、季節の変わり目など…

白米のおかゆや雑炊といった

やさしい形で取り入れることで、

身体に一層負担ない状態で気を補い、

養生にもつながります。


米を単なる“カロリー”としてではなく、

“生きるためのエネルギー”

あるいは“氣を生む食材”として捉えることで…

無理なく、そして心地よく続けられる

食生活のヒントになるのではないでしょうか。


ですので、もちろん、

食べ過ぎるのも

”エネルギー過多””気が有り余る”

ことにつながり、

さまざまな不調にも繋がりかねませんので

適度に召し上がってください。


まとめ

・「氣」は、米を蒸して立ち昇る湯気

 =エネルギーの象徴


・東洋医学では、食(特に米)が

 “気”の生成源である


・白米を抜くことは、体質や季節によっては

 むしろ不調の原因にもなる


・米は中庸の性質を持ち、

 現代人の養生にも活用できる


・「脾は四肢を主る」ことからも、

 食と運動は氣の生成においてセットで考えるべき


“氣”という視点から見ると、

私たちの主食である「米」は、

ただの糖質(カロリー)ではなく、

生命を支える大切な“源”だと気づかされます。


身体の声を聴きながら、

東洋医学の智慧を日々の食卓と

生活習慣に活かしてみてください。


きっと、“食べること”

もっと楽しみになるはずです。

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鍼灸 縁庵

住所:大阪府茨木市永代町6-19 近藤ビル402

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