五臓六腑〜心の臓〜

query_builder 2023/06/17
茨木_鍼灸東洋医学自律神経
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五臓六腑の概念。

東洋医学の蔵象学と、

西洋医学の内臓学の考え方の違いについて…

現在は連続して投稿しております。

五臓六腑について〜西洋医学の内臓学との違い〜


各論にはいり…

前回は肝の臓について綴りました。


五臓六腑〜肝の臓〜


五臓・・・肝・心・脾・肺・腎


今回は心の臓について綴っていきたいと思います。



西洋医学での心臓の定義は…


心臓(しんぞう)とは、血液循環の原動力となる器官のこと。血液循環系の中枢器官のこと。
ーWikipedia


とのことで、主に循環器としての臓器という考え方です。


東洋医学でもこの考えとリンクする部分も多々あります。


が、それだけではありません。


また前回同様に概念チックな話になりますが…

なるほど!おもしろい!

と思っていただけたら…幸いです。



【心の臓とは?心臓(Heart)との違い】


東洋医学では心の主な働きは以下の2つです。


・気血を全身に輸送するポンプのような働きをする

・精神的活動の根本(中枢神経系的な役割)


もう種明かしをしてしまいましたが

西洋医学との違いは、精神的活動も心は関連するということですね。


では、どのように関連してくるのか…

ということを紐解いていこうと思います。


『黄帝内経 素問』霊蘭秘典論に

「心者.君主之官也.神明出焉.」

と記載があります。


君主の官というのは国王も位にあたる存在であり、

神明=心神のことを指します。

心神とはあらゆる精神活動の大本だと思ってください。


つまりかなり特別な存在であることが分かるかと思います。


濁気に汚されないように、膈(横隔膜)に隔てられ

五臓の中で最も最上に位置しており、清らかな臓とされています。


前回の記事で。五神(魂・神・意智・魄・志)の話もしましたが、

心は君主の官でありますから…

この心神がしっかりしていないと

他の精神活動(魂・意智・魄・志)にも影響を与えます。



心の臓は、血液で営養されております。

「心主身之血脉.」…心は身体の血脈を主る。

「諸血者皆屬於心.」…諸々の血は皆、心に属す。

「脈者.血之府也.」…脈というのは血の府(集まる所)である。


というように、いかに心と血の関連性が深いか、

ということが分かるかと思います。


これはほぼ西洋医学と同じなのでイメージしやすいかと思います。


心を営養する血液を心血(しんけつ)と言います。



一方で東洋医学の思想の1つである五行学説では

心は『火』の属があると考えます。


ドクンドクンと絶え間なく拍動し、全身へ血液を輸送している…

まさにエンジンのような存在で、五臓の中でもっとも陽気が強い。


陽の気が強すぎると、水分が沸騰して蒸発していくように、

陰分(心血)が不足して言ってしまいます。


ここで例えなのですが…



金魚鉢!



鉢を心の臓、中の水を心血、中の金魚が心神だと思ってください。


中の水がどんどんなくなっていくと

金魚は弱って…干からびて…やがて死んでしまいますよね。。。


このように心血が不足すると

心の臓は営養されなくなり、心神も狂ってしまうのです。



そうなると…

動気や胸の痛み、不安感、胸がソワソワする、

落ち着きがない、話すことが支離滅裂、不眠などなど

そういった症状が出てくることがあるのです。


症状から見ても…

西洋医学とは少し違うということが分かるかと思います。


ドキドキが…初恋のようなトキメキだったらいいんですけれどもねぇ。笑



【心は舌に開竅する】

心の臓は「舌は心の苗」といわれ、

”舌”と関係が深いと言われます。


例えば口内炎でも舌先にできる舌炎、だとか

最近舌をよく噛む…などは

少し精神的に疲れているのかな…?


というような味方ができますよね。


また、舌足らずで喋りづらいとか、呂律がまわりづらい、

なども心が影響している可能性もあります。

※しかし急に出現したのであれば、脳梗塞や脳出血の可能性があるので注意!


あとは、経験があった方も多いかもしれませんが…


ストレスが強い時期に「舌がヒリヒリする」とか

ご飯を食べても美味しくない(味覚の低下)とかも

これまた心の病証の可能性が考えられます(全てではありませんが)。


ありますよね。


「恋人に振られてから、ご飯が美味しくなくて食欲がない…」


えっ、ない?笑


ん?私ですか?私は別にそんなこと…


はい。この話は辞めにしましょうか。笑


次!!



【他の臓腑との関連性】

勿論、五臓はそれぞれが関与しあっていますが…


心は肝の影響を受けやすいです。


ここでまた五行学説の属性の話ですが

心火に対して、肝木…

木は火のエネルギーになりますので、

心と肝は母子関係にあります。

肝が母で、心が子です。


つまり肝木が暴走して肝気が亢ってしまうと

心は火が起こりやすくなってしまいます。


火は炎上するので上へ、上へ昇ります。


すると身体でも上部の痛み、背中や肩の痛み、頭痛など…

しかも程度の強いものは起きやすくなります。



前回の記事で、肝の臓はストレスの影響を受けやすいと書きました。


肝への影響は子である心にまで影響します。

こういったことからも…

健康に過ごすためには、いかにストレスを上手くさばけるか…

といったことが大事なのかということが分かるかと思います。


大切なもののことを”肝心(かんじん)”と言ったりしますしね。

※肝腎ともいうこともありますね。

 肝と腎も関連が深いのですが…

 これは腎の記事のときに説明したいと思います。



循環器としての心臓だけでなく、

心(こころ)としての概念も含む、心の臓。

私はこの考え方が好きですし、

なによりも人間味があっていいと思うのですが…


そして心(こころ)で考えると。

より、理解を落とし込みやすくなるかと思います。



ワクワクすることはいいことです。

ただ…過剰にドキドキと

トキメキすぎるのにはご用心…ですよ。笑




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鍼灸 縁庵

住所:大阪府茨木市永代町6-19 近藤ビル402

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