顔面気色診-面色紅- | 東洋医学の役立つ情報を発信『ヨスガのブログ』 | 縁庵 - 茨木市の東洋医学専門の鍼灸院

顔面気色診について、

総論的な話はこれまでにしてきました。

→-顔面気色診- 肌からみる体調

→-顔面気色診- 肌からみる体調②

→-顔面気色診- 肌からみる体調③

ここからは各論的な…

それぞれの色が何を示すのか？

ということを順番に綴っていきたいと思います。

今回は『面色紅』。

顔色が紅い(赤い)ことですね。

顔色が赤いということは

どういった意味があるのか…

今回はそんな話をしていきます。

【紅•赤＝熱傾向】

想像しやすいかと思いますが…

身体が熱傾向に傾くと、顔は赤くなってきます。

霊枢•五色篇では

「五色をもって臓を命し……赤は心となす」

「黄赤は熱となす」と記載されています。

心の臓は東洋医学の五行論に当てはめると、

その色は"赤"とされています。

心は血脈を主る、と言われもしますから

そのあたりはイメージしやすいかなと思います。

傷寒論では面色紅を"熱色"と

ストレートに表現しています。

基本的に紅色というものは

熱っぽい…というのは

誰しもがなんとなくわかるのではないでしょうか？

更に面色紅には

・満面通紅(顔全体が紅い)

・両顴潮紅(頬部が紅い)

・面紅如妝(化粧しているように紅い)

などの別があります。

どこが紅いのか？

どのように紅いのか？

というのもポイントになってくるようです。

今回はあるパターンを例に上げていきます。

①前日に外出していた。

　帰宅後から倦怠感があり、早めに床についた。

　翌日、起床時から悪寒のようなものがあり、

　徐々に身熱感と頭痛が出現。

　熱を測ると微熱が出ていた。

②食べることが好きで、

　甘いものや肉類、油物を特に食す。

　喉がよく渇き、冷たいものを欲す。

　大便が粘る感じがあり臭いもある。

　手足が火照りやすい。

③昔から緊張しい。いわゆる上がり症。

　人前で話す、焦った時には顔が熱くなり、

　耳まで真っ赤っかになってしまう。

　緊張が解けると一気に涼しくなる。

と、一部ではありますが…

わかりやすいのはこの辺りかなと。

では、解説していきます。

①…もう、分かりますよね。

　　細菌やウイルス(外感の邪気)に晒され、

　　その病邪と闘うために発熱している状況で。

　　体温が上がっているわけですから、

　　身体が熱に傾いているのは明らかです。

　　この場合は顔全体が赤く、

　　他覚的にも熱感を感じ取ることができます。

②…①に対してこちらは中の問題。

　　身体に熱が溜まりやすいものを喫食することで

　　蓄積されていきます(内熱)。身体の熱を冷まそうと、

　　生理的に身体が冷たいものを欲すわけです。

　　また脾(消化の臓器)は四肢を主る、ために

　　手足に熱を持ちやすくなります。

③…気は陽の性質があります。

　　つまり暖める作用も持ちます。

　　この気が緊張など特定の条件で一気に上に昇って

　　渋滞するため(気逆)、上の方が赤〜く、

　　熱〜くなるわけですね。当然、緊張が解けると

　　気が降りるわけですから、緩解します。

こんな感じですね。

ですので、

ベッドサイドで患者さんが赤ら顔の場合は

緊張してるのか？

室温が高いのか？

何か最近食事の変化があったか？

そもそも体調が悪いのか？

などなど、まず望診から得られる情報を参考にし、

こちらからの問診事項を選んでいくわけです。

先程も言いましたが…

これも一部の紹介なので

他の要素もまだまだ考えられます。

前回、図で示した臓腑配当も

その書籍の中の、あるいはその著者の一説ですので

これはこう！それはこれ！

というように、一辺倒にならず、

さまざまな情報を取り入れ、

引き出しを持っておくことが大事ですね。

余談ですが…

そもそも気色は人工的な色と違いますのでね。

化粧をされていると

分かりにくいこともありますが…

その下にある皮膚の色は診ればわかります。

ただ、厚化粧すぎるとやはり分かりづらいので…

ほどほどに…笑

自然くらいのお化粧が…

ナチュラルなあなたが1番ですよ♪

※ナンパ師ではありません、鍼灸師です。