五臓六腑〜胃の腑〜

query_builder 2023/09/09
茨木_鍼灸東洋医学
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少々…更新が開いてしまいました…。

サボっていたわけではありません。笑

ちょっと事務的なことで手が混んでおりました…。



さて、前置きはおいといて…。


東洋医学の蔵象学と、西洋医学の内臓学の考え方の違いについて。

五臓六腑のお話。現在は六腑シリーズでこれまで『胆』『小腸』について綴りました。


五臓六腑〜胆の腑〜

五臓六腑〜小腸の腑〜



『胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦』の六つの腑です。


今回は『胃の腑』について綴っていきたいと思います。


胃も西洋医学の胃と似通った面がかなり多いです。

でも、さらに東洋医学では面白い捉え方もしております。

そしてかな〜り重要視される臓器でもあります。


ということで…

早速いってみましょう。



【胃の腑 西洋医学の視点と東洋医学の視点】


さてさて、西洋医学では胃というものは…

・ペプシンという消化酵素によって

 タンパク質をポリペプチドという水溶性の分解産物に消化する。

・ガストリンというホルモンを分泌させ、

 ペプシンの前駆細胞であるペプシノゲンの分泌促進、

 胃酸の分泌促進させて消化活動を活発にさせる。

・胃の蠕動(ぜんどう)運動によって食物を十二指腸へ輸送する。

 十二指腸に入ると、背クレチンが分泌されて、

 ガストリンの分泌を抑制することで消化活動が停止する。


大まかにいうとこのような感じです。

主に消化に関与していることがわかるかと思います。



これに関しては東洋医学も似たような見解を示しています。


黄帝内経・素問ー霊蘭秘典論篇

「脾胃者.倉之官.五味出焉.」

この分は以前に脾の臓の記事でも解説しましたが…

五臓六腑〜脾の臓〜


五味というのは、酸・苦・甘・辛・鹹(塩辛い)の5つの味を示します。

これは五臓にそれぞれ配当するわけですが…

つまりここでは五臓全てを養う、とも捉えることができ、

”五味出ずるなり”とは

摂取した飲食物が気血へ変化することを示しています。

そして身体エネルギーを輩出する大本なので

倉廩(≒倉庫)の官と名付けられるわけです。


臓と腑はそれぞれ表裏関係に関連しあっておりますが、

脾の臓と胃の腑は特に密接に関連しあっていると言えます。



難経・三十一難

「中焦者.在胃中脘.不上不下.主腐熟水穀.」

身体の中間部分には胃があり、上らず下らず…

というのは溜め込む、という意味ですね。

水穀=食物、を腐熟する…つまり消化する、ということです。


東洋医学では、胃は消化が主な働きであって、

吸収に関してはあまり関与しない…

と考えているようですが、東洋医学では先述したように、

胃こそが他の臓腑をも養っているという考えをします。


霊枢・五味『五蔵六府.皆稟氣于胃.』

五臓六腑が胃より気を与えられていることが記されています。


素問・五蔵別論『胃者.水穀之海.六府之大源也…

以養五蔵気.是以五蔵六府之気味.皆出於胃.変見於気口.』


胃は水穀の海(栄養の溜まり場)であり、六腑の源であると。

五臓の気も養って五臓六腑の気は全て胃より出ている

その変化は気口に見(あらわ)れます。


気口というのが、手の橈骨動脈のことを指します。

私がいつも脈をとっている部位ですね。

つまり…

私は脈診で五臓六腑の気の状態を伺っているのです。


これにより、身体内の状況や予後判断ができるわけですね。

だから、鍼を刺す前後、休憩後など逐一脈を確認しているわけです。


すごいんですよ…脈診って。

脈診の話についてもしたいのですが…

それだけで記事がいくつも書けちゃいそうなので(笑)

また別の機会に綴っていこうと思います。



【胃が身体の痛みに関与する】

タイトルのとおりですね。

小腸に腑でも出したように図で見てみましょう。


図:十四経発揮 経絡図より



胃が所属する経絡は、足陽明胃経(あしようめいいけい)と言います。

これは目の内眦(うちまなじり)から始まり、頬を下り、

顎を巡って頭へ向かうものと首へ向かうもので分岐します。

首から胸、腹、大腿前面、膝前面、下腿前面を下っていき、第2趾にまで至ります。

(よく見たらこの図…ちょっと間違えてるやん…笑)


また、顎を巡るなかで歯肉(特に上歯)にも影響してきます。


つまり、胃の腑に負担をかけることによって

膝痛、脚の不調や、歯茎の痛み、腫れなどの症状が出ることもあるのです。


胃への負担とはつまり…

飲食の乱れですよね。食べ過ぎ、飲み過ぎ、偏食…など。


首…喉の方にも影響するようで扁桃炎なんかにも一種、関与する場合もあります。


これらの不調を訴える方に対して、脈を診て、舌を診て、ツボを確認して…

「最近、食が乱れてませんか?」と尋ねると

「なんでわかったんですか?」「そういえば…」みたいなね、

やりとりは日常茶飯事です。笑


こうして臓腑を単体で考えるのではなく、

身体に全体との関連性で考えるのは…

やはり東洋医学は面白いなと思いますね〜。


ご自身で身体に不調が出てきた場合…

まずは最近の出来事や、行動を見返してみると…

案外面白い気づきにつながるかもしれませんね!


勿論、鍼灸施術で対応はさせていただきますが…

ご自身で予防できそうなものはどんどん予納していきましょうね~。


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鍼灸 縁庵

住所:大阪府茨木市永代町6-19 近藤ビル402

電話番号:090-3890-4915

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