二十四節気『春分』食養生

query_builder 2025/03/18
茨木_鍼灸東洋医学
春分 画像

『春分』

2025年の春分は3月20日から4月4日の期間です。


春分は昼と夜の長さがほぼ同じになる日であり、

ここを境に昼が長くなり、本格的な春へと向かいます。


「昼と夜の長さが同じ=陰陽のバランスが整う」時季なので、

睡眠と活動のバランスを意識し、

無理せず、また怠惰になりすぎないように

生活することが大事です。


また以前にも綴っていますが…

春の養生法をしっかり守るようにしましょう。


花粉症の東洋医学的見解 鍼灸・漢方が効く

あるいは

『春眠不覺曉(春眠暁を覚えず)』とは?

に記載しています。


これは夏に向けの準備でもあり、

先の季節で不調を起こさない秘訣とも言えます。


さらに春分を迎える日は

「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」として

1948年に国民の祝日として制定されました。


しかし、日本ではもともと「春分の日」は

仏教的な行事と結びつき、

春分の日を中心とした前後3日間、 合計7日間は

「お彼岸(ひがん)」の期間とされています。


2025年の春のお彼岸は

3月17日(月)から3月23日(日)までの7日間です。


【春のお彼岸 意味や由来】

この期間は故人やご先祖様への供養の期間として、

お墓参りや仏壇のお掃除、お供えなどをします。


「彼岸(ひがん)」は“向こう岸”を意味し、

仏教では生死の境を超えた悟りの境地を指します。

また、先ほども書きましたが…

この時期は昼と夜が等しくなるため、

陰と陽のバランスが整う神聖な時と仏教でも考えられています。



春のお彼岸は「ぼたもち」を供える習慣があります。

因みに秋分には「おはぎ」を供えますが…

この違いはご存じでしょうか?



実は…




呼び方が違うだけで、全く同じものです。


春は春の花である牡丹の花に見立てて供えらえ、

牡丹もち → ”ぼたもち”になり、


秋は萩の花に見立てて供えられるため、

”おはぎ”と呼ばれるようになったのです。


さらに細かいところまで突っ込むと…

小豆の旬は秋のため、収穫したての小豆の皮が柔らかく、

秋に食べられる”おはぎ”は豆の形を残した粒あんが使われ、

春の小豆は皮が硬くなっているため、

しっかりと粒を潰したこしあんが使用される風潮があるようです。


ちょっとした豆知識ですね。


因みに小豆というものは

利尿作用が強いのでむくみの解消には良いですが、

水分不足で乾燥しやすい人(陰虚証)や、

冷え性(陽虚証)の方にはあまり合わないかもしれませんので

食べ過ぎには注意しましょう。


では、前置きが長くなりましたが…本題に入ります。


【春分の食養生】

春は「肝(かん)」の働きが活発になる時季でしたね。

引き続き気の巡りをスムーズにし、

ストレスを溜め込まない生活・食事が大切です。


主には…

  • 酸味のある食材(酸味は肝の五味)
    → 梅干し、レモン、黒酢、酢の物 
  • 苦味のある食材(デトックスとして)
    →たけのこ、菜の花、蕗(ふき)のとう
  • 香草類(肝の気を伸びやかにする)  
    → ほうれん草、小松菜、春菊、パクチー
  • 消化に優しいもの(木剋土を防ぐよう脾を補う)
    → 米、おかゆ、味噌汁


いくつかピックアップして解説していきます。


  • たけのこ
    →まさしく春に旬の食材ですね!
    苦味を含みながらも「甘味」があり、
    肝の養生だけでなく胃腸の調整に適しています。
    ただし、繊維ものですので

    過剰摂取はかえって胃腸に負担をかけますのでほどほどに。

    さらにタケノコはぐんぐん上へ伸びる性質があるため、
    過剰摂取すると気が上昇(逆上せ)しやすくなります
    やはり食べ過ぎには注意が必要ですね。
    脾胃を養ってくれるお米と併せて『たけのこごはん』がオススメです!
    同じ春の食材である、蕗のとうや菜の花を混ぜ合わせて
    炊き込みごはんにするのも良いですね。
  • 春菊
    →これも旬ですね。春の菊。
    ビタミンも豊富に含まれておりますが、加熱時間が長いとビタミンが不活化したり、せっかくの香りが失われたりするので火を通す場合は短めにしましょう。
    食物繊維により、胃腸を整える効果もあります。
    ほぐした木綿豆腐と混ぜ、酸味を含むポン酢と食べるとヘルシーですし、肝も養えるのでおすすめです。
    梅肉を混ぜて和えるのも良いと思います。

その他、アスパラガスもいいですね。

苦味や利尿作用によるデトックスが期待できます。


以前に記事に上げた啓蟄の食養生も

引き続き使えますので、是非そちらも参考にしてください。

二十四節気『啓蟄』食養生


春分を越えると、

いよいよ陽の季節へと転化していきます。

『黄帝内経』に記載されている春の養生にもあるように

ゆったりとした気持ちで過ごして、

ぼちぼち運動して、夏には

しっかり汗をかけるように準備しておきましょう!


汗をかくことを嫌がる人も多いですが…

発汗するということは、

体内の熱の発散になりますので

身体が陽に傾きすぎることを防いでくれます。


その辺りは、また季節が進んだら解説できるようにします。

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鍼灸 縁庵

住所:大阪府茨木市永代町6-19 近藤ビル402

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