五臓六腑〜腎の臓〜

query_builder 2023/07/24
茨木_鍼灸東洋医学
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東洋医学の蔵象学、西洋医学の内臓学。

その考え方の違いについて…

現在は連続して投稿しております。


序章→五臓六腑について〜西洋医学の内臓学との違い〜


各論にはいり…

これまで肝、心、脾、肺について綴りました。


肝→五臓六腑〜肝の臓〜

心→五臓六腑〜心の臓〜

脾→五臓六腑〜脾の臓〜

肺→五臓六腑〜肺の臓〜


今回は腎の臓についてです。


今までも度々、腎の話は出てきていたと思います。

それほど大事な臓器であるということですね!


泌尿器に関与する心臓ですが、

東洋医学の立場ではどのようにみていくのか…


早速いきましょう。


【腎の臓とは?腎(kidney)との違い】


「腎蔵精」

ー『黄帝内経・霊枢』本神より


このように腎は精を蔵します。


精とは、いわば気や血を凝縮したエキスのようなものです。

父・母より受け継いだ、生まれ持ってのエネルギーを先天の精といい、

生後、飲食物より練り出すエネルギーを後天の精といいます。


先天の精は腎が、後天の精は脾が大きく関与してきます。



先天の精は受け継いだ元々のエネルギー。

つまりそのキャパシティは人それぞれなのですが…

これが常に枯渇しないように人間は飲食物から後天の精を得て、

先天の精を補充し続けているのです。


これが老衰して食欲がなくなり、やがて食べられず、

先天の精を削って生き、これがゼロになった時が

人間の正当な形での”死亡”となります。


まぁそれまでに病気などで亡くなられる方が多いわけですが…。


この時点で泌尿器としての腎臓と考え方が違う、

ということがわかったかと思います。


しかし、東洋医学でも勿論、泌尿器とは関連してきます。


五行学説では腎は水の属性に当てはまります。

さらに二陰に開竅(かいきょう)する。


二陰とは前陰(生殖器)、後陰(肛門)を意味します。


さらには尿を溜め込む膀胱の腑とも表裏関係にあることからも

泌尿器にも強く関与しているばかりか、

生殖器にも関与していることがわかります。


また、腎精が充実していると

骨・髄・脳・耳・歯・髪をしっかり養うことができます。


よくみると、これらは全て老化に関わってくる器官なのです。


こういったことからも腎はいかに生命そのものとの関連があるのか、

といったことがお分かりいただけたかなと思います。



【腰痛と腎の関連性】

治療院にはあらゆる患者さんがあらゆる症状で来院されますが

どの院でも腰痛を訴える方は多いのではないでしょうか?


「腰者腎之府.」ー素問・脈要精微論

※府…納まる、という意。


古典では腰は腎の府(器)である、というようにいっています。


腰の弱りは腎の弱りである、と考えられます。

(全部が全部そうではありませんが、

ある程度関与してくることがかなり多いです)


高齢になってくると、腰痛を訴えたり、

腰が曲がったりしてくるのはまさにこの理論からもわかり、

加齢と共に生命の力(≒腎気)が衰えてくるが故に

腰に症状が現れることが多いのです。


これ以外にも先ほど書いたように、腎は骨を養いますので

腎気が弱ってくると、骨を養えなくなり、

骨の密集する関節が弱くなる…

故に腰以外でも膝や肩などの関節の症状も

出てくるのだと考えられます。


この、腎虚由来の腰痛や関節痛の場合は

弱りを補う施術をしないといけないため

刺激の強い、気を散らすような施術は

逆効果になる可能性があります。


腰が痛いからといって

何でもかんでも腰にバンバン響くような鍼をしているとまずい、

ということですね。


腰という漢字は

月(にくづき)要(かなめ)『腰』となります。

身体の要…家で例えると重要な柱のようなものです。


この柱が老朽化してスカスカになってきていると、

それが崩れないように補強しないといけないはずです。


その柱に、追い討ちをかけるように穴を開けてはいけない、

ということです。




お家だったらそのうち…崩壊しちゃいますね…笑




ただし、ここで紹介しているのは主に慢性腰痛について、です。


ぎっくり腰…もとい物理的な原因があるもの

(重いものを持った際に傷めた腰部捻挫)は

また別の病理になりますのでお間違いの無いように…。



程よく運動をして、骨を鍛えてあげる…

つまり養うことは、腎の気も健やかにしていきます。

運動している人が生き生きしているのは

腎気がしっかりして生命力がみなぎっているからですね。


そう考えると、男性ホルモンであるテストステロンは

東洋医学でいう腎気のうちに含まれるような気もします。



しかし…私のようにガンガン走って、走りまくって

骨へ慢性的にダメージを与える行為というのは、

逆に腎の気を損なっていきます…(=体力も消耗)。


何事も程々に…しましょうね…!

(今、自分にも言い聞かせました。笑)


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鍼灸 縁庵

住所:大阪府茨木市永代町6-19 近藤ビル402

電話番号:090-3890-4915

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